みらい創研コラム編集部です。
先ごろ開催されたリオ・オリンピックで日本中を熱狂させた、押しも押されもせぬ日本体操男子のエース・内村航平選手。チームを見事金メダルに導いたことは記憶に新しいかと思います。
今回はその内村選手の母であり、彼の体操指導も行っていた先生でもある、内村周子さんの「子育て方法」に注目し、金メダリストの育て方を探ります。
平成の世をまっすぐ渡り、世界で活躍できるように「航平」と名付ける
内村選手が生まれたのは昭和64年1月3日。誕生した4日後の昭和天皇崩御とともに元号が「平成」に変わり、ご両親は「平成の時代を“まっすぐ渡れる”ように」「太平洋をまたいで“世界で活躍する”ように」との願いから、息子に「航平」と名付けます。出生の頃からすでに「体操のオリンピック選手」としての育成を目指していたことが、この命名から読み取れるような気がしないでもありません。
体操教室の先生として、母として、妻として、元気に駆け回る周子さん
彼が3歳のときに、ご両親は長崎県諫早市に「スポーツクラブ内村」を開設し、幼い航平少年もここで体操を習うことになります。父・和久さんも母・周子さんも、ともに元体操選手であることは有名で、とくに周子さんは2014年の全日本シニア選手権に出場し、50歳以上の部で見事トップを飾った現役選手としても知られます。
自身の体操教室では、幼い子どもたちを元気いっぱいに指導する周子さん。子育てに関する講演会に講師として呼ばれるなど多忙を極めてはいるものの、指導者としても、家庭の主婦としても一切手を抜くことなく、立派にそれらの役目を務め上げている姿をテレビ等でご覧になった方も多いのではないかと思います。
天才はブラックサンダーがお好き
今では想像もつきませんが、幼少時の内村選手は病弱で泣き虫、しかも体育の成績は3だったそうで、意外にも「天才は一日にしてならず」だったようです。
以前は野菜が苦手で、米と肉中心の食生活を送っていたほどの偏食家であり、北京オリンピックの競技終了後、スタンドにいた周子さんからブラックサンダー(ココア味のクランチチョコレート)を投げて渡されていた姿も見られたほど、大のチョコレート好きとして知られています。その偏食ぶりには周子さんも手こずったようですが、大事な場面でちゃっかりブラックサンダーを差し入れてしまうところがお茶目でもあります。
天才金メダリストが絶賛した、母・周子さんの教育方針とは?
かつて「ひねりの天才」と称賛する内容の報道を周子さんが内村選手に伝えたところ、「教えてくれた人がよかったからだよ」といった一言を返されたとか。「教えてくれた人」とは内村選手の体操の先生でもある周子さんご自身のことです。周子さんは著書「自分を生んでくれた人」において「涙が出るほど最高にうれしい、わが子からの賛辞」とそのときの喜びを記しています。
そんな天才金メダリストに惜しみない賛辞を送られた周子さんの教育方針とは、
「一緒に遊び、褒めまくること」。
これは自身の息子である内村選手だけでなく、「スポーツクラブ内村」に通う子どもたちへの接し方にも現れているそう。もちろん保護者たちにもこの教育方針は好評で、通い始めてから子どものやる気が変わった、より能動的になった、という親御さんも大勢いらっしゃるとか。
また、絵本を一瞬だけ見せて内容を当てさせる「絵本瞬間記憶法」で右脳を鍛える遊びもよく行っており、子どもたちの想像力を養うのに一役買っている様子。決して無理強いするのではなく、遊びの中に自然と体や脳を鍛える試みを取り入れ、知らず知らずのうちに天才を育てるのが大得意なようです。
周子さんの、そのような子どもたちへの態度や姿勢を、我々大人たちは大いに見習うべきでしょう。
内村周子さんの教育方針まとめ
- 一緒に遊び、褒めて伸ばす
- 遊びながら想像力を鍛える
- 大好物のブラックサンダーを差し入れることもやぶさかでない
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